看護師のワンポイントアドバイス

2018年7月4日

梅雨から夏に増える食中毒にご用心!

梅雨から増えだす細菌性食中毒
 食中毒は1年を通して発生しますが、梅雨から夏にかけて特に気を付けたいのが細菌性食中毒。高温多湿な状態が続くと細菌の増殖がより活発になるため、注意が必要です。
 食中毒を防ぐには、調理や食事のときに食品を細菌の汚染から守る「つけない」、細菌に増殖する機会を与えない「増やさない」、食品中の細菌を加熱や消毒によって「やっつける」の三原則が基本です。

「三原則」を心がけ、しっかり予防を!!
 細菌を「つけない」ためには、石けんを泡立てて手を洗い、流水でしっかり細菌を洗い流すようにしましょう。調理前はもちろん、生の肉や魚、卵などを扱った後も小まめに手を洗うことが重要です。台所は常に清潔にし、まな板やふきん、スポンジなどは熱湯や煮沸で消毒し、細菌を寄せ付けないようにしましょう。また、バーベキュー等では、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにする事も大事です。
 細菌を食べ物の中で「増やさない」ためには、食品の温度管理を徹底し、「やっつける」ためには、食品の中心部温度75度以上で、1分以上しっかりと加熱して下さい。ふきん、まな板、包丁などの調理器具も、洗剤で良く洗ってから熱湯をかけて殺菌する必要があります。
 特に、子ども・お年寄りなど抵抗力が弱い人は、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌に感染すると重症化するおそれがあります。三原則を守るだけでなく、規則正しい生活とバランスのとれた食事で抵抗力を付けておくことも大切です。

「食中毒かな?」と思ったら…

こんな症状がある時は、医療機関へ!
●下痢が1日10回以上起こる
●激しい腹痛がある
●体がフラフラする
●意識が遠くなる
●尿の量が減る。12時間以上出ない
●下痢便に血液が混ざる
●おう吐が止まらない
・・・などの重い症状

 右記のような症状が一つでもあり、食中毒の疑いがある場合は、医療機関を受診しましょう。症状が出始めた時期、詳しい症状、食べた物などを医師に伝えて下さい。
 おう吐がある時は、喉に詰まらないように横向きに寝て、脱水症状を防ぐために水分補給をします。また、下痢止めや吐き気止めを服用すると細菌などを体外に排出しようとする体の反応を抑えることになり、症状が悪化する場合があるため、自己判断による服用はやめましょう。子供は小児科、大人は内科で診察を受けられますが、どこに受診すべきか迷うときは、最寄りの保健所に電話などで相談して下さい。
 適切な対応で食中毒をきっちり防ぎ、健やかな夏を過ごしましょう。